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【連載】先生、これは英語でどういうんですか?
−生徒が間違えやすいことを、本質的な意味から考え、指導に生かす

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今回のコラムは時間に関するin、at、onについてです。まずは問題を解いてみましょう。
下記の[ ]にはin, at, onのどれを入れますか。
  • 1. We've danced the whole night through. It's four o'clock [  ] the morning now.
     一晩踊り続けたね。もう朝4時だよ。
  • 2. During the summer holiday, I'm always busy with club activities [  ] the afternoon.
     夏休み中、午後は部活で忙しい。
  • 3. I'll be here [  ] the evening.
     夕方にはここにいるよ。
  • 4. We'll be landing at Narita International Airport [  ] 6 p.m.
     当機は6時に成田国際空港に到着する予定です。
  • 5. I'm going back to my hometown [  ] Christmas time.
     クリスマス期に故郷に戻る。
  • 6. Shops in our neighborhood are open until midnight [  ] Christmas Day.
     クリスマスには近所の店は深夜12時まで開いている。
  • 7. I'm going to see my grandparents [  ] New Years day.
     お正月には祖父母に会いに行く。
*解答例は本コラムの最後にあります。

第2回 at night と in the night の違いは何?
慶應義塾大学 田中茂範


第1回目のコラムで、L1フィルター、つまり、英語学習において日本語の影響によって間違いやすいことの話をしました。英語学習は日本語の影響を受けることが避けられないため、日本語との単純な対応では英語の表現を十分に理解することはできないというのがそこでのポイントでした。

日本語では「(曜)日」も「月」も「時刻」にも助詞の明確な使い分けはありません。しかし、英語では「6時に」は at six、「午前中に」は in the morning、そして「クリスマスに」はon Christmas Dayと、日本語では同じ「〜に」でも、英語ではat、in、on を使い分けます。ここで必要なのは、どうして英語ではat、in、on を使うのかということをそれぞれのコア(本質的な意味)を通して理解することです。

まず、inとatの違いに注目しましょう。

inの本質的な意味(コア)は「空間内に」で、「幅」としての時間に使われます。「幅」といっても「その時間の中で(に)」と内部に視点が置かれる場合に用いられるのがポイントです。一方、atのコアは「ところ(場所)」であることから外部の視点で時間をとらえることになります。

at nightは、「時間帯としての夜」であって、in the morning、in the afternoon、in the eveningのようにその時間帯の中に意識を置くことはできません。in the nightといえば「その中での活動の時間帯」といった意味合いです。これは、夜のとばりが下りた時間帯としてのat nightとは意味合いが異なります。時間の流れが意識されればinが、感じられなければatが使われると考えてもよいでしょう。at noon(正午に)、at midnight(深夜12時に)、at dawn (夜明け)などは、時間の流れというより時刻あるいは時間帯を表す表現です。

なので、コラムのタイトルにあるat nightとin the nightですが、at night は夜の時間帯を表し「人は夜眠る」という場合は People sleep at night. とat nightになります。表現としては at night が一般的ですが、夜の時間で何かをするということが強調されれば in the night を使うことができます。「暗闇でこそこそ悪事を働く人」のことを a thief in the night といいますが、「夜中に泥棒をする人」ということで in がピッタリです。

ここでの例:
  • ・We've danced the whole night through. It's four o'clock in the morning now.
     一晩踊り続けたね。もう朝4時だよ。
  • ・We'll be landing at Narita International Airport at 6 p.m.
     当機は6時に成田国際空港に到着する予定です。

次に、at とonについて考えてみましょう。

「クリスマス期に故郷に戻る」だとI'm going back to my hometown at Christmas time. とatを使って表現します。「クリスマス期」は12月23日から12月26日ぐらいの幅のある期間ですが、外から見た時期(流れを意識しない時間帯)として捉えた表現だといえます。

一方、「クリスマスに」だとon Christmas Dayとonを使います。onのコアは「接触して」で、時間的には「固定して」という意味合いが派生します。すると、カレンダー上で固定されている日(特定の日)や意識の上で固定されている日を表すにはonがピッタリです。クリスマス、誕生日、曜日、国民の祝日、結婚記念日などすべてカレンダー上で固定されている日(特定の日)とみなされます。

ここでの例:
  • ・I'm going back to my hometown at Christmas time.
     クリスマス期に故郷に戻る。
  • ・Shops in our neighborhood are open until midnight on Christmas Day.
     クリスマスには近所の店は深夜12時まで開いている。
このように、日本語の翻訳ではなく、英語表現のコアに注目すること、これによって感覚的に英語の表現を理解することができるようになるはずです。
*例文の解答例  1.in 2.in 3.in 4. at 5.at 6. on 7. on

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