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【連載】英語のつまずきは、アルファベットから!?  〜大人が気がつきにくい落とし穴〜

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Q. 英語のアルファベット学習は、大文字と小文字のどちらが難しいでしょうか?

 
小中学生に英語のアルファベットを指導されたことのある多くの先生が、小文字の習得には大文字の習得の2〜3倍の時間がかかるとよく言われます。大文字に比べ、小文字は文字の形が左右対称であるものが少ない上に、pとq、bとdのように識別が難しいものがあります。また、b、dのように4線の第2線より上に出るもの、g、pなどのように第3線の下に出るもの、a、c、eなどのように上にも下にも出ないものなど、書くときに文字の高さにも気をつけなければなりません。簡単そうに思われがちなアルファベットですが、実はその学習(特に小文字)は大変なものです。アルファベット認識能力は、後に発達するリーディング能力と強く関係しているという研究結果もあります。大人にとってはたかがアルファベットですが、子どもにとってアルファベットは最初のつまずきの元にもなりかねないものなのです。

そこで、ARCLEでは2014年度新企画として、幼児・児童英語教育の分野で長年にわたり理論的研究および現場での実践研究を重ねられ、ご活躍されていらっしゃるアレン玉井光江先生によるコラム、『英語のつまずきはアルファベットから!?』をお届けします。アルファベットの歴史から、文字の読み書きの導入前までのステップを丁寧にご紹介いただきます。第1回は「アルファベットって何?」です。児童やお子さんにクイズを出していただくこともできる内容です。ぜひ楽しんでご一読ください。

Qの答え : 小文字

第1回 アルファベットって何?
青山学院大学 アレン玉井 光江


1. 英語の読み書き、アルファベットから

「いろはのいの字も知らない」というのは読み書きができない人のことを指しますが、英語でも同じこと、すべての読み書きの基礎はアルファベットの文字学習から始まります。簡単に見えて実は奥が深く、アルファベット学習は英語嫌いをつくらない最初の大きなポイントでもあります。

2. アルファベットって何?

それではアルファベットって何でしょう?

その原型は紀元前1500年ごろにできたと言われています。なんと3500年余りの歴史があるのです。

英語のアルファベットは現在26文字の大文字と小文字がありますが、最初は23個の大文字しかなく、小文字ができたのは8世紀だといわれています。現在でも、イタリア語は21文字、ギリシア語は24文字、フランス語、ドイツ語は26文字、スペイン語は27文字、ロシア語は33文字です。※1

当然ですがアルファベットの読み方はそれぞれ違います。「アルファベットは英語だけ!」と思っている子どもたちには異なるアルファベットがあると知るだけで驚きのようです。「どうしてイタリア語には21個しかアルファベットがないんだろうね?」と5年生に聞いたところ「きっと天使が忘れたんだよ」と答えた子がいました。

【世界のアルファベット】※2

3. アルファベットとローマ字の違い

アルファベット学習では、文字の形(A)とその名前(「エイ」)を覚えます。少しローマ字学習と比較してみましょう。

ローマ字は日本語にローマ字を当てているので、アルファベット26文字中、19文字しか出てきません(含まれないのはC, F, J, L, Q, V, Xです)。ローマ字学習を通して、子どもはこれら19文字の字形を学びます。でも、日本語の音を表すローマ字ではAは「エイ」ではなく「ア」、Bは後ろに母音をつけてba bi bu be bo 「バ」「ビ」「ブ」「ベ」「ボ」となります。日本語にはBだけで表現される音はありません。

詳しくは次回のコラムでお話ししますが、アルファベット学習の大切なところは、この文字の名前に含まれている英語の音にしっかり慣れ、発音できるようになることです。

※1 羽鳥博愛 監修(2010)『新・学研の英語ずかん 1巻 ABCあそび』学研教育出版.

※2 アレン玉井 光江(2010)『小学校英語の教育法―理論と実践』大修館書店

   富盛 伸夫監修(2005)『世界の文字と言葉入門10 フランス・イタリアの文字と言葉』小峰書店.


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