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【連載】英語のつまずきは、アルファベットから!?  〜大人が気がつきにくい落とし穴〜

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第3回 文字を練習しながら、実は音も!
青山学院大学 アレン玉井 光江

  

アルファベット学習では、文字とその名前(例:「B」と「ビー」)を学習します。子どもたちは例えば「DOG」を見ると、「ディー、オー、ジー」と文字の名前を言うことはできます。でもアルファベットの名前読みをしているだけでは、「[dɔg] ドッグ」と読むことはできません。単語や文を読むためにはアルファベットの文字の名前ではなく、音を学習しなければなりません。英語を母語にする子どもたちの中でアルファベットの文字をよく知っている子どもは、文字と音(bは/b/という音)との関係に気づくようになっているといわれています。

つまりアルファベット学習では、文字の形とその呼び方(名前)を学びながら、その呼び方の中にある文字の音を知ることが、とても大切なのです。大変だと思われるかもしれませんが、実は多くのアルファベット文字の名前には、その文字の音が含まれているのです。私は英語の学習時間が少ない子どもたちになんとかそれに気づき、理解して欲しいと思い、「アルファベット音素体操」というものを考案しました。音素体操とは以下のようにアルファベットの名前に共通する音に注目して、アルファベットの文字をグループ分けし、それらを動作で表すようにしたものです。

※アレン玉井(2010)P190-192より

詳しくはアレン玉井(2010)のP190-192(※)、もしくは動画をご覧ください。音素体操はアルファベットの大文字学習が終わるくらいの時期に導入します。この活動を通して子どもたちは少しずつ音と文字との関係に気づき、そしてそれを体得していきます。この力が育つと、文字と音との関係を教えるフォニックス指導にスムーズに入っていくことができます。

これまでのコラムで、導入期においてアルファベットの学習がいかに大切であるかを述べてきました。英語を好きなだけではなく「使える」学習者になるためには、音声言語を育てたのちにリタラシー(読み書き)能力を身につけることが不可欠です。その第一歩がアルファベットの学習です。時間をかけて丁寧に指導をしていきましょう。

※ アレン玉井 光江(2010)『小学校英語の教育法―理論と実践』大修館書店


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